2016/06/14

「耽美・華麗・悪魔主義 谷崎潤一郎文学の着物を見る~アンティーク着物と挿絵の饗宴~」弥生美術館、「100年前に夢二が発信❤ 大正時代の「かわいい」展 ~乙女がときめくデザイン&イラストを中心に~」竹久夢二美術館

 


■「耽美・華麗・悪魔主義 谷崎潤一郎文学の着物を見る~アンティーク着物と挿絵の饗宴~」弥生美術館

 良い展示。谷崎の小説に登場する女性たちの着物を、その描写に忠実に再現しようとしたもの。
 小説を読んでいるとき、特に色彩の視覚的なイメージが脳内に立ち上がると読書中の楽しさが全く違うから、(具体的なイメージがわかなくて)ほとんど読み飛ばしていていたような衣装を想起できることによって、少しは谷崎の思い描いていた世界に近付くことができるだろうか。勿論、作者以外の人間の勝手な想像によって印象が左右されてしまう、というデメリットもあるかもしれないけど。

 ともあれ、展示自体は素敵な着物がたくさん飾られているので、眼が楽しい。和装、着物に詳しかったならより気付く点や考えることも多かっただろう。

谷崎潤一郎(1886~1965)作の「細雪(ささめゆき)」はアンティーク着物を愛する女性の間ではバイブルのように読まれる作品です。映画や舞台に登場する女優たちの華やかな着物姿に惹かれる人が多いようですが、谷崎本人は蒔岡家の四姉妹の着物を本当はどのように想定していたのでしょうか? ・・・本展では、文章やモデルになった姉妹の写真を元にして、忠実に着物を再現して展示します。
 「細雪」「痴人の愛(ちじんのあい)」「春琴抄(しゅんきんしょう)」「猫と庄造と二人のをんな」「蓼喰う虫(たでくうむし)」「秘密」などの代表作をはじめとして20余りの作品を、挿絵、着物、谷崎潤一郎関係者の写真などを用いて紹介。出品数は着物約30点、挿絵約100点を予定しています。
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/index.html [2016/06/14]
 


■「100年前に夢二が発信❤ 大正時代の「かわいい」展 ~乙女がときめくデザイン&イラストを中心に~」竹久夢二美術館

昨今流行りの日本の「Kawaii」文化の源流を夢二に見るもの。

ただ、私自身は夢二の少女絵はどうも好きになれない。どうしてなのかは分からないけど。

 海外でも近年高く注目される「Kawaii(かわいい)」ですが、大正ロマンを象徴する画家・竹久夢二(1884-1934)は、自身がデザインした小物を大正時代に“かあいい”という言葉を用いて紹介し、暮らしや装いにいち早く彩りを添える仕事に才能を発揮しました。また大きな眼と、華奢で丸みを帯びた姿形を描き表した可憐な少女像の〈抒情画〉を確立し、日本近代の女性が憧れる「かわいい」世界を、夢二は時代に先駆けて表現しました。
  さらに夢二は、おしゃれなデザイン画や素朴で微笑ましいカット絵、加えて愛らしい子供絵も手掛け、現代にも通じる「かわいい」を数多く残しました。
  本展では今から100年前に夢二が発信した「かわいい」を集めて広く展示紹介するとともに、大正時代を中心に夢二が展開した「かわいい」の役割についても考察していきます。 
http://www.yayoi-yumeji-museum.jp/index.html [2016/06/14]

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