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2017/01/10

「ヴェルサイユ宮殿≪監修≫ マリー・アントワネット展」


 
 
 マリー・アントワネット展。来場者は女性がほぼ95パーセントくらい。展示の感じはおおむね予想通りだなという感じで、決してつまらないわけではないけど、格別に面白いというわけでもない。原寸大のマリー・アントワネットの私室の空間再現コーナーがあったけど、ヴェルサイユを一度見たことがあるというひとにとってこれも再現度という点では限界があるし…。
 どちらかというこの展示自体というよりも、ヒルズ内のレストランでの展示とのコラボスイーツのほうを楽しみにしていたのだけど、気付いたらなぜかしゅらすこで、肉という肉たちをがっつり食べていた。

2016/10/02

宮本隆司「九龍城砦」+トークイベント キヤノンギャラリーS(品川)


 
 
  九龍城砦、という名はこの展示の案内をみるまで聞いたことがなかったのだろうと思う。もしどこかで目にしたり耳にしたりする機会があったなら、そのときに興味を持たなかったはずはないから。
 
 香港を旅行で訪れたのは中学生の時だったから記憶もかなり曖昧ではあるが、香港の超高層建物群にただただ圧倒されたことははっきりと覚えている。その建物はオフィスだけではなくて古くからある一般の人々の住居。十を優に超えるほどの階数があるのに、エレベーターがないのだとか知らされたり。
 
 「100万ドルの夜景」だなんてまったく素敵でもない表現で世界三大夜景のひとつに数えられてはいるけれども、さしてロマンチックな気分になどなれず、心が不穏に掻き乱されてざわついたのを思い出す。
 
 
 私が訪れた時にはこの九龍城砦はもうすでに解体されてしまっていたけれど、今思うとその気配は街全体に微かに残っていた…という気がするのはさすがに後付けの妄想の投影だろうか。
 熱気、混沌、欲望。あらゆる要素が混在して黒々と渦巻く城砦の怪物的な様相に、写真を通して見るだけでも思わず声を失ってしまう。このとてつもない空間が、小説や映画をはじめ様々な芸術家たちの霊感源となっていたことは容易に肯ける。川崎には九龍城砦をモデルとしたアミューズメントパークがあるというし。(http://matome.naver.jp/odai/2137081929174999701)
  
 
 展覧会の概要解説には「アジアン・ゴシック」とあり、「チャイニーズ・ゴシック」などの用語は私は勝手に一般化していると感じていたのだけどどうやら全然そうではないらしかった。でもこの言葉は九龍城砦という空間を巧みに形容していると思う。
 押井守が『イノセンス』の世界を創り上げる時に、都市の設定は「中華ゴシック」にしようと決めたというエピソードは、彼の『イノセンス創作ノート』(徳間書店、2004年)に記述がある。同様の世界観として『ブレード・ランナー』を嚆矢とする系譜がもちろんあるだろうが、この九龍城砦にもかなりの影響を受けているのは間違いないのだろう。(あとは、「Asian Gothic Label」という名前のアーティストがいるそう。)
 
 
 西欧において「アジアン・ゴシック」的な雰囲気に対応するのは、私のステレオタイプ的なイメージでは、中世。まさしくゴシックの時代。
 しかしアジアにおいてみられる「ゴシック」という言葉に託されたイメージは近代化の過程で生じてきたもの。天に焦がれるかのように高く聳える教会の円塔は、ここでは人の溢れた地上とは反対に重力に逆らってただ上へ上へと伸び行く摩天楼。勿論、天上に神など存在してはいないのだけれど。
 
 
 
 ちょうどタイミングがあったのでトークショーも聞くことができた。宮本隆司さん×巽孝之先生。以下、メモ書き。
 
・「境界の解体」―サイバーパンク、スリップストリーム
W・ギブスンが九龍城砦を取り上げる。国境を含め様々な境界が解体。
 
・ジョージ・スタイナー“extra territorial”(治外法権)⇒「脱領域」(by由来)
亡命作家、多言語使用、母語以外で執筆する作家
e.g. ナブコフ、エリオット、ヘミングウェイ…
 
・「橋」のモティーフ
・樹上建築からのインスピレーション?
 
・赤瀬川源平『超芸術トマソン』に登場、ギブスン『あいどる』(1996)
・白金のギーガー・バー
 
・廃墟が逆説的にも孕む有機性・生命力。
 パイプ・コードや壁に這う蔦などの植物。増殖し続け、未完成(結)でもある
 
・「権威」ではなく、「悪」の象徴としての建築(群)
 無法地帯―ユートピア性、どこにも帰属しないこと。難民の逃避先
 
 

■開催概要
本展は、写真家宮本隆司氏による写真展です。
かつて香港の九龍地区にあった高層スラム、九龍城砦を撮影した写真約50点を展示します。
無法地帯、迷宮と呼ばれ、4万人が息をひそめて棲む巨大コンクリートスラム 九龍城砦。この地に流れ着いた人々の生活を写し撮り、スラムの状況を今に伝えます。現代の無秩序と闇の具現体である九龍城砦が、宮本氏の操る光と影によって見事に再構築されました。
九龍城砦が取り壊された現在、想像を絶した謎多き空間を新たに提示する貴重な作品となっています。作品はすべてキヤノンの大判プリンター「imagePROGRAF」でプリントし展示します。


■作家メッセージ
九龍城砦が消滅してから20年が過ぎた。
香港に鎮座していたアジアン・ゴシックと称される高層スラム、九龍城砦が今でも話題になることがある。
あの巨大コンクリートスラムの建造物が意味するところは一体、何だったのだろう。
2.5ヘクタールの土地に4万人もの人々が暮らしていた巨大高層コンクリートスラムは、悪の巣窟、魔の具現体としてさまざまな表現媒体で繰り返し象徴的に描かれ語られてきた。
現代の魔窟、アジアン・カオス、無法地帯と恐れられながら悪と魔性の象徴として映画、劇画、SF、ゲームの世界でしぶとく生き続けてきた。
数々の謎と伝説をまとった九龍城砦は、困難な歴史を背負った無数の人々がたどり着いた極限の住居集合体であった。
東アジアの香港に出現した、中国人の集合的無意識の結晶体であった。
人々が生活し、まだ生きていた九龍城砦を改めて見つめ、その存在を問い直してみたい。

http://cweb.canon.jp/gallery/archive/miyamoto-kowloon/index.html [2016/07/07]

2016/09/11

『ル・コルビュジエ ロンシャンの丘との対話 展』、『チューリッヒ・ダダ100周年――ダダイスト・ツァラの軌跡と荒川修作』會津八一記念博物館



 
 同時期に開催していた早稲田大学の會津八一記念博物館での二展示。この施設を初めて訪れたが、演劇博物館と同様に立派な博物館で感心した。コルビュジェは西洋美術館の世界遺産登録、ダダは100周年と、どちらもタイムリーなテーマ。
 
 
 
『ル・コルビュジエ ロンシャンの丘との対話――ロンシャンの丘との対話 展 ル・コルビュジエの現場での息吹・吉阪隆正が学んだもの』展

モダニズムの巨匠、建築家ル・コルビュジエは、晩年に名作〈ロンシャンの礼拝堂とその建築群〉を計画しました。早稲田大学ル・コルビュジエ実測調査研究会は2013年度より〈ロンシャンの礼拝堂とその建築群〉の継続的調査を行なっています。早稲田大学の研究チームは礼拝堂完成後初めて、《巡礼者の家》と《司祭者の家》の実測調査を行い、さらに昨年には研究会を立ち上げ、礼拝堂本体の実測調査に着手しました。本展覧会では調査により制作した実測図を公開すると共に、《ロンシャンの礼拝堂》(ノートルダム・デュ・オー礼拝堂)に残されている、現場でル・コルビュジエが実際に使用した貴重な青写真を展示します。施工当時の建築家の息吹や、ロンシャンの丘全体との対話を感じることができると思います。会期中には現場の様子に詳しいジャン-フランソワ・マテ氏をロンシャンより招いて、シンポジウムも行います。

《ロンシャンの礼拝堂》の計画と同時期に、ル・コルビュジエのアトリエで学んだ吉阪隆正は、帰国後も早稲田大学建築学科で教鞭をとり、多くの建築家を育てました。滞仏中にル・コルビュジエのアトリエで吉阪自身が担当して描いた図面と日記帳を併せて展示し、ロンシャンの計画が始まろうとした当時、吉阪が何を学んだのかを探る手掛かりとしたいと思います。

『チューリッヒ・ダダ100周年――ダダイスト・ツァラの軌跡と荒川修作』

2016年は第一大戦下の中立国スイスのチューリッヒで、ルーマニア出身のトリスタン・ツァラらによってアヴァンギャルド芸術運動ダダ(ダダイズム)が始動してから100年目にあたります。ツァラが「ダダは何も意味しない」と叫んで芸術のあり方を問い直したように、ダダはベルリン、パリ、ニューヨーク、東京などに拡がった最初のグローバルな芸術運動でしたが、その後1960年代にネオダダとして新たな復活をとげ、21世紀の今日なお現代アートの起源となっています。また、ツァラは第一次大戦後パリに移り多彩な活動をつうじて、ピカソ、ミロ、マティスらとのコラボレーションによる多くの詩画集を発表しており、ツァラの軌跡をたどることでモダンアートの貴重な場面が再現されます。今回は、ダダの機関誌DADAの貴重な初版オリジナル全号(早稲田大学図書館蔵)、トリスタン・ツァラ関連初版本(ピカソのリトグラフ付き、個人蔵)、ルーマニアのダダ関連資料、50年前の各国のダダ展図録、さらにはネオダダに参加した荒川修作の版画(會津八一記念博物館寄託)なども展示します。なお、この特集展示は駐日スイス大使館の後援を受けて開催するものです。 
 https://www.waseda.jp/culture/aizu-museum/ [2016/09/11] 
 

2016/08/22

「Tadao Ando: Drawing, Photograph, Maquette」Akio Nagasawaギャラリー



 
 
 安藤忠雄の展示。「光の教会」「住吉の長屋」「直島プロジェクト」などを紹介する写真や模型。
 
「光の教会」は日本で見る教会の中ではすてきかも。写真でまともに見たのも初めてだったが、いつか訪れてみたいと思う。

2016/02/17

「建築家フランク・ゲーリー展 "I Have an Idea"」21_21 DESIGN SIGHT

 
「アイデア」というKWを軸として構成されたフランク・ゲーリー展。
シンプルでありながら工夫が凝らされており、とても見やすく楽しめる展示だった。