2019/01/10

光宗薫個展『ガズラー』ヴァニラ画廊



自分のなかに棲む怪物が、自分のことを食い尽くそうとすることへの恐怖。どうにか対話を試みて、宥めて鎮まらせようとしても、気を緩めればすぐにでも襲いかかってくる。暴れて溢れて止まないものたち。統御なんて無意味だし不可能だけど、描き出された昆虫や人間の異形のモティーフたちを構成する線は、それを律しようとする意志の強さと葛藤があらわれているかのように、どこか醒めていて、理知的で、博物学の版画のように綿密で繊細。

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