2016/09/11

『ル・コルビュジエ ロンシャンの丘との対話 展』、『チューリッヒ・ダダ100周年――ダダイスト・ツァラの軌跡と荒川修作』會津八一記念博物館



 
 同時期に開催していた早稲田大学の會津八一記念博物館での二展示。この施設を初めて訪れたが、演劇博物館と同様に立派な博物館で感心した。コルビュジェは西洋美術館の世界遺産登録、ダダは100周年と、どちらもタイムリーなテーマ。
 
 
 
『ル・コルビュジエ ロンシャンの丘との対話――ロンシャンの丘との対話 展 ル・コルビュジエの現場での息吹・吉阪隆正が学んだもの』展

モダニズムの巨匠、建築家ル・コルビュジエは、晩年に名作〈ロンシャンの礼拝堂とその建築群〉を計画しました。早稲田大学ル・コルビュジエ実測調査研究会は2013年度より〈ロンシャンの礼拝堂とその建築群〉の継続的調査を行なっています。早稲田大学の研究チームは礼拝堂完成後初めて、《巡礼者の家》と《司祭者の家》の実測調査を行い、さらに昨年には研究会を立ち上げ、礼拝堂本体の実測調査に着手しました。本展覧会では調査により制作した実測図を公開すると共に、《ロンシャンの礼拝堂》(ノートルダム・デュ・オー礼拝堂)に残されている、現場でル・コルビュジエが実際に使用した貴重な青写真を展示します。施工当時の建築家の息吹や、ロンシャンの丘全体との対話を感じることができると思います。会期中には現場の様子に詳しいジャン-フランソワ・マテ氏をロンシャンより招いて、シンポジウムも行います。

《ロンシャンの礼拝堂》の計画と同時期に、ル・コルビュジエのアトリエで学んだ吉阪隆正は、帰国後も早稲田大学建築学科で教鞭をとり、多くの建築家を育てました。滞仏中にル・コルビュジエのアトリエで吉阪自身が担当して描いた図面と日記帳を併せて展示し、ロンシャンの計画が始まろうとした当時、吉阪が何を学んだのかを探る手掛かりとしたいと思います。

『チューリッヒ・ダダ100周年――ダダイスト・ツァラの軌跡と荒川修作』

2016年は第一大戦下の中立国スイスのチューリッヒで、ルーマニア出身のトリスタン・ツァラらによってアヴァンギャルド芸術運動ダダ(ダダイズム)が始動してから100年目にあたります。ツァラが「ダダは何も意味しない」と叫んで芸術のあり方を問い直したように、ダダはベルリン、パリ、ニューヨーク、東京などに拡がった最初のグローバルな芸術運動でしたが、その後1960年代にネオダダとして新たな復活をとげ、21世紀の今日なお現代アートの起源となっています。また、ツァラは第一次大戦後パリに移り多彩な活動をつうじて、ピカソ、ミロ、マティスらとのコラボレーションによる多くの詩画集を発表しており、ツァラの軌跡をたどることでモダンアートの貴重な場面が再現されます。今回は、ダダの機関誌DADAの貴重な初版オリジナル全号(早稲田大学図書館蔵)、トリスタン・ツァラ関連初版本(ピカソのリトグラフ付き、個人蔵)、ルーマニアのダダ関連資料、50年前の各国のダダ展図録、さらにはネオダダに参加した荒川修作の版画(會津八一記念博物館寄託)なども展示します。なお、この特集展示は駐日スイス大使館の後援を受けて開催するものです。 
 https://www.waseda.jp/culture/aizu-museum/ [2016/09/11] 
 

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