2016/09/12

『ガレとドーム展――美しき至高のガラスたち』日本橋高島屋ギャラリー


 

 日本人は本当にガレが好きであることだ。気付いたらガレの展示がどこかで行われている。今回の展示にはガレの初期の作品が多く、これまであまり見たことのない系統のものをじっくり眺められたのは良かった。あとは、いつも通りだけどランプが素敵。ひとつ、白地に真っピンクの彩色が施されて、蛙が魚を御しているかたちの、可愛くも優雅でもなければリアルで生々しいともいえない、ものすごく奇妙な陶器があって、あれはいったいなんだったのだろう…。

19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパを中心に花開いた装飾スタイル、アール・ヌーヴォー。その巨匠の一人として讃えられる人物こそ、ヨーロッパ近代工芸史に革命をもたらしたガラス工芸家エミール・ガレその人でした。1846年にフランス東部の自然豊かな古都ナンシーに生まれたガレは、幼い頃より植物や文学に親しみ、彼の芸術の豊かな素養を育みました。若くして体験したパリ万博では異文化に触れ、とりわけ、「ジャポニスム」に強く影響を受け、日本に憧れを抱き続けたと伝えられています。のちに、フランスを代表する工芸家として世界的な名声を博し、1904年に58歳でその生涯を閉じた後もその作品は世界中で愛され続けたのでした。
そして、数々の優れたガラス工芸家たちの中でも、ガレ様式を受け継いだ存在がドーム兄弟でした。彼らの作品はガレの模倣にとどまらず、独自の世界観と造形表現を追求した稀有なものでした。本展では、日本に集うガレとドームの数ある作品から、エミール・ガレ生誕170周年を彩るに相応しい貴重な名品の数々を、未公開作品を交え、総点数約100点で展観いたします。

https://www.takashimaya.co.jp/store/special/event/galle.html [2016/09/12]

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