2016/09/12

『ポンピドゥーセンター傑作展――ピカソ、マティス、デュシャンからクリストまで』東京都美術館


 
 
 ポンピドゥーセンター傑作展。展覧会評などをチェックしたわけではないので下手なことはいえないが、今回の企画の評価の分かれるところはおそらく展示の構成だろう。1年ごとに1作品、という展示の方法、賛否両論あるみたいだが、私にはあまり良いとは思えなかった。あえて「イズム」による分類を撤廃して1年に1作家1作品、とするのは面白い試みだと思うが、1年に1作品ではその年の様相を知るにはあまりに例が足りなさすぎるし、出品作家の個性を1作品のみで捉えることも無理がある。結果的に、どういった作家が所蔵されているか、といったことをなんとなく把握はできたとしても、あまりに俯瞰的なので、展示を通じて何か新しいことを学んだり知ったり、ということは難しく(それをしようと試みてもあまり楽しいとは思えないし、いまいち掴みどころがない)、鑑賞前の段階で時代背景や画家の知識をどれだけ多く有しているかが面白く鑑賞できるか否かを分けてしまうことになったのではないかと思う。
 
 それでも巨匠の「傑作」が見られるのは嬉しいところ。また、普段は素通りしてしまうような画家でもそうした有名どころの画家たちと並列に展示されているから、みんな平等に鑑賞しようと思えた。あまりたくさんだったので、すぐ忘れてしまうのだけどね。
 

ポンピドゥー・センターは、美術や音楽、ダンス、映画など、さまざまな芸術の拠点として1977年、パリの中心部に開館。世界屈指の近現代美術コレクションで知られます。 本展ではピカソやマティス、シャガール、デュシャン、クリストなどの巨匠の傑作から、日本ではあまり知られていない画家の隠れた名品までを一挙公開。1906年から1977年までのタイムラインにそって、1年ごとに1作家の1作品を紹介していきます。絵画、彫刻、写真、映像やデザインなど、多彩なジャンルの作品との出会いを楽しみながら、フランス20世紀美術を一望できる絶好の機会です。展示デザインはパリを拠点に国内外で活躍する注目の建築家、田根剛氏が担当。これまでにない魅力的な展示空間で、珠玉の作品群をご堪能ください。
http://www.pompi.jp/point/index.html [2016/09/12]

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