2016/09/11

「怖い浮世絵」展 太田記念美術館

 
 
 太田記念美術館の2016年の夏企画、テーマは「怖い浮世絵」。「怖い」ものとしてフォーカスされたのは、Ⅰ幽霊、Ⅱ化け物、Ⅲ血みどろ絵、と全部で三部構成。幽霊と化け物、それぞれに違った質の迫力があり、凄惨な血みどろ絵は例によって月岡芳年の独壇場。日本に根付いた異形なものたちへの想像力は何度向き合っても感心する。 


「怖い」「恐ろしい」-すなわち恐怖は人間の普遍的な感情のひとつです。未知なるもの、危険なもの、不気味なものなどに対して、人間は恐怖を抱き、忌み嫌い、避けようとします。しかし「怖いもの見たさ」という言葉が表すように、それらは多くの場合、同時に強烈な好奇心を呼び起こすものでもあるのです。小説やドラマ、映画などで、ホラーやサスペンスといったジャンルが根強い人気を博すのも、この怖いもの見たさに起因するのでしょう。
江戸の人々も、怖いもの、恐ろしいものへの好奇心は旺盛だったようで、歌舞伎や小説などで怪談物が流行したのをはじめ、浮世絵にも怪異や妖怪が盛んに描かれています。本展は、江戸の人々が抱いた恐怖のイメージを浮世絵から探る展覧会です。累(かさね)、お岩、崇徳院といった生前の恨みをはらす幽霊たち、鬼、海坊主、土蜘蛛などの異形の化け物、凄惨な血みどろ絵まで、「怖い」浮世絵が一堂に集まります。 
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/exhibition/2016-kowai-ukiyoe [2016/09/11]

0 件のコメント:

コメントを投稿