2016/11/19

『Frida is――石内都展』資生堂ギャラリー ほか


 
 
 
  フリーダ・カーロは実はあまり作品をよく見たことがなかった。彼女のことをもっと早くに知っておくべきだったと思う。彼女の遺品たちを、石内都さんが撮影した写真の展示。
 
 
 表象文化論学会の2016年度の秋の研究集会では、フリーダ・カーロをテーマにした発表があった。その時に「植物」がモティーフとして頻出していることが取り上げられていて、確かに「植物」と「身体」の融合なのである。ああこれはまさに私の領域じゃないか、という…。
 
 ほかの発表との関連もあって、「痛み」というのは女性の身体に関連付けられやすい特別な理由が何かがあるのか、という内容の質問が会場から投げ掛けられた。それはまず絶対にそうであることは間違いないのだけれど、「言うまでもないじゃない」という気持ちが先に立ち、いざ説明しようとすると要点がまとまらない。それって私の関心にとっては決定的に本質的なことなので、今後の課題…。
 
資生堂ギャラリーでは、2016年6月28日(火)から8月21日(日)まで、日本を代表する写真家、石内都の個展「Frida is」を開催します。本展では『Frida by Ishiuchi』、『Frida 愛と痛み』シリーズより31点の作品が展示されます。

2012年、石内はメキシコシティにあるフリーダ・カーロ博物館からの依頼により、メキシコを代表する画家、フリーダ・カーロの遺品を3週間にわたり撮影しました。

フリーダの生家でもある≪青い家≫と呼ばれる博物館で、彼女の死後50年となる2004年に封印を解かれた遺品には、フリーダが身に着けていたコルセットや衣服、靴、指輪などの装飾品に加え、櫛や化粧品、薬品などが含まれていました。石内はこれらの持ち物を丹念に配置し、35ミリのフィルムカメラを手に、自然光の中で撮影しました。フリーダと対話をするように撮った写真は、波瀾に満ちた人生を送ったヒロインとしてのフリーダではなく、痛みと戦いながらも希望を失わずに生き抜いたひとりの女性の日常をとらえています。石内は「同じ女性として、表現者として、しっかり生きた一人の女性に出会ったということが一番大きかった」と言います。

フリーダのシリーズの作品は2013年11月に「PARIS PHOTO 2013」で初公開され、メキシコの出版社・RMより写真集が発売されました。2015年にはマイケル・ホッペン・ギャラリー(ロンドン)で初の大規模な展示が行われ、日本では石内のメキシコでの撮影過程に密着したドキュメンタリー映画『フリーダ・カーロの遺品 ―石内都、織るように』(監督:小谷忠典)が話題を呼びました。

http://www.shiseidogroup.jp/gallery/exhibition/past/past2016_04.html [2016/10/02]
 


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