2016/11/19

IMTについて(雑感)



 
 
 なんとなく鼻についてしまったこのIMTという施設です。デザイン性と審美性を徹底的に極めた内装と展示の構成に感心しながらも、美しく迫力をもって陳列された展示品たちがどこか心に残ることなく上滑りしていくようで、展示品が没頭することができなかった。その違和感は、インターメディアテクの設立に関する文書を見た時に確信へと変った。展示の「学術の啓蒙と普及を通じ」と謳うのは明らかに「上から」という感が否めないし、「旧帝国大学」の威信に未だにしがみついている印象も受けてしまう。ここから従来のあからさまなわざとらしさとは異なる方法で「教育」をするのだ、という意識が生まれてくるのだろう。確かに通常の博物館との差別化を図るために「気取り」を隠すことなく披見することは、一周回って斬新にも感じられるものの、果たしてそれが功を奏しているかどうかは疑問。実際、鑑賞者はなんだか「へぇ凄いね東大って」としか言っていないようにきこえたので。私はどちらかといえば、「教育」していることを巧妙に隠すようなやり方よりも、一緒に「学び」を、と鑑賞者に寄り添った博物館の方針のほうが好ましいように思う。おかしいね、「来場者をばかにしすぎ」的な問題意識が裏目に出てしまった?それとも中途半端な出自の私が過敏になっているだけなのか。

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