2015/05/12

企画展『シネマブックの秘かな愉しみ』 常設展『日本映画の歴史』 国立近代美術館フィルムセンター


 国立近代美術館のフィルムセンターを初訪問。最初、美術館のある竹橋へ行ってフィルムセンターのチケットはどこで買えますかと美術館のチケット売り場で尋ねてしまってからあわてて己の過ちに気付き、メトロで京橋まで向かう。

 常設展である「日本映画の歴史」は1890年代に日本に映画が伝わってから徐々に独自の発展を遂げてゆくさまを時系列に追ってゆく、スタンダードな展示。展示室はさして広くはないながらもその空間に凝縮された充実ぶりは少しも物足りなさを感じさせない。実際の映写機で映し出されたフィルムの映像も見ることができる。


 常設展はそのまま同じフロアの企画展に接続する。この時期の企画展のテーマは「シネマブック」ということで、展示されているものはひたすら映画に関連する書籍。映画と関連するものであれば何でも対象であったらしく、ありとあらゆるものが展示されている。映画という映像の作品が文字や絵として本の世界に広がりを見せてゆくというのは実にロマンチックだと思う。

 個人的に気になったのは、まだ検閲が厳しかった時代、ベテランの人気(?)検閲官が書いたというエッセイやら評論やら。検閲官、アウトなシーンを見つけるためだけにひたすら映画を観る職業のひとが映画についての本を書く。なんだかひどく奇妙なようでもあり、でもちょっと興味ある。

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