2016/03/27

「わが青春の「同棲時代」 上村一夫×美女解体新書展」弥生美術館


※右のポストカードの上下が逆である。


 大学一年の秋、某K先生の某授業にて、「同棲時代―今日子と次郎―」という映画を鑑賞した。70年代の邦画なんて観たのが初めてだったということもあると思うけれども、当時の私にとってこの映画のインパクトは大きくて、ずっと頭の片隅にこびりついていた。先日、書店の美術書のコーナーで見つけたこの展覧会の図録を、その表紙絵に惹かれて開いてみたら、タイトルにまさにある通りだがあの映画の原作の漫画の作者であったという。K先生はもしかして授業でこの原作者の名前に言及していたのかもしれないけれども、まるで記憶にはなかった。

 上村一夫。70年代に一世を風靡したが、若くして急逝し、没後の30周年として企画されたのが今回の回顧展である。

「哀しい女の業、
 渦巻く情念の炎、
  静かな狂気に潜む、底知れぬ心の闇……!」 

「甘美なる抒情、あふれ出す詩情、背徳のエロス..…」

 なんて少し気恥ずかしくなるようなワードが展覧会の概要には連なっているけれど、まさにそんなベタでわざとらしい言葉がそのままストレートに、過不足なく、彼の作品の魅力を言い表しているんじゃないか。
 まだ漫画を読んでいないので彼について詳しく語ることはできないけれど、絵を見ただけでも自分の趣味に合うかどうかくらいは大体わかるのであって。…こういうどうしようもなさが堪らないから、日本が好き…どうしようもなく…。

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