2015/07/07

「幻燈展 プロジェクション・メディアの考古学」 早稲田大学演劇博物館



 早稲田の演劇博物館で行われていた、「幻燈展 プロジェクション・メディアの考古学」。
 開催されるという報を目にしてからというものずっと行きたかった展覧会で、用事で早稲田に寄った機会に訪問する。演劇博物館自体、その中に入るのも実は今回が初めてであったけれど、静謐な重厚感のある建物で居心地がよかった。

 企画展である「幻燈展」はとても楽しい。幻燈の歴史を解説するパネルがある。展示品は幻燈にまつわるあれこれ。映し出すための機械、ステンドグラスのように裏から白い光を当てる色の付いた透明な板(あれはなんという名前なのだっけ)。実際にスライドを入れて投影してみたりと、触って動かしてみることができるような体験型のものもある。
 それにしても幻燈、名前からしてすでにステキすぎだけれど、実際に目にすると雰囲気がある。現在でも幻燈の仕組みを用いてお芝居をするような劇団もあるらしいが、夜の暗い日本家屋の一室や神社の境内で上映会をしたらどれだけわくわくすることだろう…。
  
 図録も非常によく読みごたえがありそうだったので覚えておく。
☆『幻燈スライドの博物誌 プロジェクション・メディアの考古学』青弓社、2015年。

幻燈スライドの博物誌: プロジェクション・メディアの考古学
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青弓社
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 本展示のイベントで絶対に行こうと思っていた、幻燈上映会付きのシンポジウムを完全に逃すという失態を犯したので、代わりに(?)会期中にもう一度行っても良いかなと思っている。

 あとは今回展示で扱っているものとは別に“幻燈”や“プロジェクション”というワードによって思い出すのは、2年生のころの独身者機械ゼミで扱ったジュール・ヴェルヌの『カルパチアの城』に出てくる、ラ・スティラという歌姫と、初音ミク(ライブの際に3Dで出現するあれ)だろうか。芸術学の授業で、スクリーンに光を投影する仕組みから、最近のスマホやらPCのディスプレイというものはそれ自体が発光体となっていて…という話を聞いていたことも。次元の違う話ではあるけれど、このテーマについてまとめてみるのは面白そうだ。

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