定番・アリスや美青年たちをはじめとして、数々のリトグラフや油彩画が並ぶ。『Les Jeux』の写真集も展示されている。ギャラリー奥に飾られている大きなタブローの作品たちは間近で見ると眩暈に近いものを覚える。(よいこはぜったいに、みてはならない…。)
この日は午後3時より、金子画伯と津原康水さんとのトークショーと、両氏によるサイン会。
「かわいい」という言葉が最も嬉しいというお話をされていたが、まさにこの言葉がこれ以上似合う方もいないだろう、ともいえるかのような、茶目っ気たっぷりの方であった。
初の自伝である『美貌帖』は、美しい装丁を実現してくれる出版社を探し求め、金子氏の大ファンという編集者の方(しかも美青年らしい)がいらした、河出書房新社が出版するという経緯があったという。
自分の部屋を飾るために絵を描き始めた、という金子氏の絵のスタイルはそれゆえ根本的なところで閉ざされている。しかしどうしても、この類の美というのは閉鎖的な場でしか醸成されることのできないものなのだろう。受けることを狙っていては、それは生まれては来ない。不純なものが一切混じり込むことなく、ここまで徹底した反逆の美を追究することのできる芸術家が、今現在においていったい何人存在するだろうか。
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