2014/09/25

『種村季弘の眼』展 トークショー

「種村季弘の眼」展に行ってきた。板橋区立美術館、場所は西高島平…都営三田線の最果て。日吉で東急目黒線に乗るときに行き先表示でよく目にしていたので名前に馴染みはあったのだが、まさかこんなにもすぐ自分が行くことになるとは思わなかった。うーん、遠かった!駅に着いてからも美術館まではけっこう歩かされる。

土曜日の午後に行った理由としては、お目当てが当日のトークショーだったからだ。種村季弘の友人であった画家の方2人と、現在スパンアートギャラリーをされている息子さんの種村品麻さん(女性かと思った…)。旧知の仲だった2人と、息子さんということで非常にほんわりゆるゆるっとした感じのトークショーでした。内容はまあ、ほとんどが「怪人」と呼ばれた種村さんのエピソードについて。中身はほとんど無いといってもよいレベルではあるけれど、それでもこういうのって、故人の生前が見えるようで、なかなか楽しいんだよね。作品を読むときにも意識するようになったり、著者に対してより感情が入るようになったりするのだ。温泉や居酒屋好きといったほほえましいエピソードを聞いた後では、どんなに真面目でおっかないような本も、人間味が感じられてちょっと親しみやすくなるのかも。

お客さんたちはなかなか良い年の方ばかりで、私が一番若いかも…?!というくらいだった。挨拶を交わしたり、「ああお久しぶりです」なんて言い合っているような方々が多いところを見ると、どうやらかつてつながりがあったかそういうコミュニティのなかのひとたちなのか、それぞれの親族の方とかなのかもしれない。会場は全体的になかなか盛況で、席も足りなくなってしまっていた。私もこうした中の一員になりたいなぁ、って強く思うのでした。せっかくなんだからちょっとくらい誰かに接触してみようかなぁと思ったりもするのだけれど…、なかなか勇気が出ないね。


本当はぜひとも、10月4日にあるらしい仏文学者の巖谷國士さんの講演が聞きたかったのだが…、まあ、研修会があるのでやむを得まい。


ひとりの文学者というか美術評論家というか、…彼の肩書はなんというんだろう、まぁいいやそれでも、そんなひとりの人間がテーマになって、ひとつの展覧会ができてしまうなんてかっこいいなぁ。怪人だからこそだろう。澁澤に関してもそうだけれど、名前を聞くだけで、「こういうジャンル・領域・雰囲気」というのが分かってしまうというのは、ものすごいことだ。私もそういうのを大成させたいものだ。おお…そうかなるほど、それを人生の目標として据えればよいわけだな!絵空事だなぁ。


そうときまれば、さてと、お勉強しなくちゃならないな。さっそく巖谷さんと種村さんの書籍をAmazonで購入したぞ。まずは魔術的リアリズムから…。

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