2017/06/05

『ミュシャ展』国立新美術館



 ミュシャは私の想像をはるかに超えて「ロマンチスト」だった…。

「スラヴ叙事詩」——文字通り叙事詩なのだろう。私は「聖書」のようだとも思ったが(近代に生まれた「聖書」)、やはりしっくりくるのはそちらか。時代に見合わなかったというのもやむをないと言わざるを得ないような気もする。

想像以上のロマンチストぶりに置いてけぼりになりかけながら、どうにか一周。スラヴ叙事詩の序盤と終盤、絵筆と気分の乗りに乗ってる感じの数点は割とキてるが、面白く見たし結構好きかもしれない。ミュシャという作家に対する自分の心の距離が掴みきれずにいたが、この展示のお蔭でなんとなく定まったような。

明らかに《スラヴ叙事詩》にフォーカスした展示であるにもかかわらず、展示名に副題がないのには何か理由があるのだろうか?